座ると腰が痛いのはどうして?気になるその腰の痛みを徹底解明!

座ると腰が痛いのはどうして?気になるその腰の痛みを徹底解明!

長時間椅子に座っていると「腰が痛くなる」というお悩みをお持ちの方が、最近とても増えてきています。

腰が痛いといっても、ヘルニアや坐骨神経痛など、様々な症状や原因が考えられますが、腰が痛くなる原因を結論から言うと、立っている時より座った姿勢の方が、腰に負担がかかるからです。

つまり、座っている時間が長ければ腰の痛みを発症しやすくなります。

さらには悪い姿勢のまま座り続けると、ますます腰の痛みは増加してしまいます。

しかし、デスクワークの場合、腰の痛みを我慢して仕事をするしかなく、お困りの方も多いですよね。

ですが、正しい座り方を知れば、腰の負担を和らげることが可能です。

今回の記事では、腰の痛みを和らげる座り方と、デスクワークの合間にできる簡単ストレッチをご紹介していきますので、気になる方はぜひ最後までお読みください。

座位は腰への負担が、直立の1.4倍!!!

img src=”https://www.dr-l.co.jp/blog/wp-content/uploads/2023/11/10_02.png” alt=”姿勢ごとの腰の負担グラフ” width=”1000″ height=”400″ class=”alignleft size-full wp-image-1598″ />

上のグラフは、以前腰痛の原因を調査するなかで得られたデータをグラフにしたものです

・寝ている状態が20
・直立している状態が100
・直立して前かがみが150
・座る姿勢が140
・悪い姿勢で座るのは190

直立している状態の平均よりも、座る姿勢の方が1.4倍もの負担が腰にかかっているのです。

【例:体重50㎏の人の場合】

仮に直立の際に腰にかかる負荷を30㎏としましょう。(下半身の重さは腰にかからないため)

椅子に座っている際に腰にかかる負担は1.4倍の約40㎏

浅く腰掛け、少し前傾姿勢(悪い姿勢)だと1.9倍の約60㎏

つまり、腰にかかる負担は、座る姿勢のほうが大きくなるということがおわかりいただけたでしょうか。

腰にかかる負担が増している状態が続くことで、徐々に腰の痛みとして現れ、結果腰痛を引き起こしているということになります。

起きている時間は、座っている時間が最も長いという事実

最近では、パソコンを扱う仕事等、長時間椅子に座ることも多く、それに加えスマホの普及による腰痛も非常に問題視されているようです。

座位のグラフ

上図は日本健康教育学会が発行している学会誌に掲載されている『座位行動の科学』という論文からの引用です。

図1のデータから分かることは、1日の6割近くを座って過ごしているということです。

(イラストイメージ)

ここで良い姿勢と悪い姿勢を比べてみましょう。

悪い姿勢で座ると、上のイラストのように腰付近の背骨が前方に湾曲している状態になります。

この湾曲している状態が続くと骨内部や関節が傷つき、その際受けた刺激が腰痛へと変化する場合があります。

ですから「座っている時間」は、腰への負担を軽減するように姿勢を正すように心がける必要があります。

余談ですが、株式会社ファンケルが、腰痛を患っている20~60代の男女800人に腰に関するアンケート調査を実施し、腰痛から開放されるならいくら払う?という質問に対し、平均で「207万円払う」という結果が出ております。

それだけ腰の痛みから開放されたいと切実に感じている方が多いんですね。

座るときの負担を減らすために現在の状況をチェック!

チェック

正しい座り姿勢が出来ていますか?まずは自分の座り姿勢をチェックしてみましょう。

□背中が丸まり猫背になっている
□気づくとPC画面に前のめりになっている
□片肘をつきやすい
□肩は背もたれにつくが、椅子に浅く座っている
□机に対して正面を向いていない
□脚を組んで座っている

いかがでしょうか?

チェックが1つ以上ある場合、その座る姿勢の習慣が腰に負担をかけて痛みに繋がっている可能性が高いです。

後ほどご紹介するストレッチをぜひ参考にして、改善していきましょう。

一緒に正しい座り方の確認をしましょう

座る姿勢

①椅子に深く腰掛け、お尻は背もたれにつけて骨盤を立てた状態で座る


座る姿勢

骨盤を立てた状態とは、お尻を背もたれに密着させ、坐骨に左右均等に体重がかかるようにして座ればできますのでやってみましょう。

②背筋はまっすぐ伸びた状態で座る。

座る姿勢

背もたれに身体を預けると、腰が前方に出てしまい、背骨も骨盤も湾曲します。
椅子の種類によっては、椅子の座面が柔らかすぎたり長すぎたり、正しい姿勢で座ることができない場合もありますので、クッションなどを使って背もたれと身体のすき間を埋めましょう。

③頭を身体の真上に置きましょう

座る姿勢

操り人形のように、頭のてっぺんから糸が出ていて、上から軽く吊るされている感じをイメージして座ると、頭を身体の真上に置くことができます。
首をすっきり長く見せる効果も期待できますし、重たい頭を身体全体で支えることで腰への負担も軽減されそうです。

④足の裏は地面につけて座る

座る姿勢

座る時の膝の角度は、約90度で、足先は正面を向き、足の裏が地面にしっかりついているのが理想です。
かかとが浮く、脚がどうしても開いてしまうなどの場合は、椅子の高さが合っていません。
椅子の高さは、立った状態の膝位置よりもやや低い位置になるようにしましょう。

⑤肩を丸めず、すくめないよう意識する事。

座る姿勢
長時間パソコン作業などを行っていると、肩に力が入り肩をすくめた座り姿勢になる傾向が多く見られます。

肩を上げ下げし、リラックスした状態で左右の肩甲骨同士を中央に引き寄せます。
この時の注意点として、肩は下げて背中は真っ直ぐをキープし、大きく反らないよう意識して座りましょう。

お使いの椅子は身体に合っていますか?

椅子

椅子は低すぎても高すぎてもよくありません。

理想的な椅子の高さは、正しい姿勢で座る際に足首と膝がそれぞれ90°の直角になる高さです。

デスクワークの合間にできる簡単腰ストレッチをご紹介

座って伸びしている女性

厚生労働省のガイドラインからも

「一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けること」とありますので、この隙間時間を利用してできるストレッチをご紹介していきます。

腰を丸めるストレッチ

座る状態でできるストレッチ

①浅めに椅子に座り、背筋を軽く伸ばします
②息を大きく吸って吐きながら腹をへこませ、ゆっくり5秒数えながら腰を丸めていきます
③軽く息を吸いながら、ゆっくり5秒かけて、元の姿勢に戻ります。この時、頭を真上に引き上げるイメージで行います
①~③を10回繰り返します

ひざを伸ばすストレッチ

座る状態でできるストレッチ

①椅子に浅く座ります。
②左のひざを伸ばし、右ひざを90度に曲げます
(※体が硬いと感じる人は、無理にせず少しひざを曲げ、気持ちよく伸びを感じるところでキープしましょう)
③背中をまっすぐ伸ばし息をしながら、骨盤から前屈するように(背中が丸まらないよう注意)身体を前に倒していきます。
④その姿勢を10~20秒キープします
⑤左右の足を入れ替えて①~④を行いましょう

猫背と鳩胸でストレッチ

①椅子に浅めに座ります。
②骨盤を前傾にし背中を丸め、猫背のポーズ
③骨盤を後傾にし胸を張って、ハト胸のポーズ
④ ①~③の動作を、ゆっくりと深呼吸をしながら20秒繰り返します。
※背中から動かして前傾、後傾するのはNG。骨盤から動かします。